
日経平均プロフィール: "昭和最後の年の64年(1989年)、昭和天皇ご逝去による自粛ムードもあってか、年初の株式相場は比較的穏やかなスタートでした。1―3月の日経平均は3万―3万1000円台で推移。それが4月の新年度入り前後から勢いを付け、毎月1000円大台を改める有り様。秋口からはさらに勢いを増し、年末の大納会には歴史的高値の3万8915円まで駆け上がりました。1年前の88年12月にはじめて3万円に乗せたばかり。1年で8800円近い急騰でした。翌年の株価を予想し、「日経平均5万円も夢ではない」などと威勢のいい声があちこちで聞かれました。"でも、それを境として、日本の株価は趨勢的な低下局面に入る。上のチャートがそれ。
2008年初めにこんなことを書いたな:
論よりチャート……日本株は奈落に向けてまっしぐら!: "政治家やマスコミは株が下がったのはサブプライムのせいだ(アメリカのせいだ)と言い続けるけれど見当違いだ。やはり原因は「純国産」で構造的。このことを如実に物語る実に嫌なチャートを見てしまった。"
概ねそういうことだろうといまでも考えている。
日本の個人消費の回復は今や「アラフォー」頼みとのこと(期待されていた団塊退職世代は消費に全く元気がないよし)。「アラフォー」とは40歳前後の女性のことを指すらしいが、彼女たちは日経平均が史上最高値を付けた89年頃に青春時代を送った世代で「財布の紐が緩い」のが特徴とのこと。
アラフォーよ、頑張って無駄遣いをしてくれ〜。
2 件のコメント:
そうですね、あのときは誰もが陶酔のさなかにいました。しかし、その絶頂期の89年12月、アメリカ、ランド研究所のチャールス・ウルフ氏は毎日新聞に寄稿し、「日本経済は、輸出依存、高い国内物価、狭隘な住宅、天文学的な地価、貧弱な都市インフラなど様々な不均衡を内在するイビツな経済を構築し、この是正へのコストを払わないままに目ざましい成功を手にした。が、この深刻な不均衡ゆえに経済は間もなく瓦解の危機を迎え、その結果きたるべき10年は日本の衰退の時期となる。株と土地は1929年の大恐慌に匹敵する下落となり、財政支出は膨張し続ける」と警告しています。足の震えがくるような的確さです。一方、当時、野村総研副理事長(元日本銀行金融研究所長)、そして後に衆議院議員になられた鈴木淑生氏は、『日本の国力はいまや前途洋々』と題した雑誌「選択」の90年2月号巻頭インタビューの中で、「ハイテク技術を要にした日本の経済力は強くなった。一人あたりGNP、ストックも世界一となり、経済力は総体的に言ってもNO.1になりつつある。覇権国家の域に達しようとしている」と豪語しておられます。こちらの方は読んでいて赤面するような夜郎自大ぶりです。アメリカ占領政策を立案していた大本営参謀たちもこうだったのかと思いました。
鈴木淑夫に限らずあの頃は誰もが思いっきりうぬぼれてましたね。私みたいな何も知らない人間でもワシントンに行くと向こうのシンクタンクの連中がちやほやしてくれました。皇居の地面だけでカリフォルニア州全部が買えるとかいって居れば相手は恐れ入ってたのですからまさにアホそのもの。お金を測る定規の目盛りが狂っていただけだったのにね。やはり信頼できるのは実質生活レベルの比較と購買力平価。マクドの値段で考えれば今の円は過大評価されている。食費が安い中国人の食事内容のほうが(栄養量とバランスで)ニッポン人よりもいいし農村でも石造りの家に住んでいる。ニッポンは依然として貧しい国。スローライフとか贅沢をいうのは10年早いのです。
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